医療広告ガイドライン
【まとめ】医療広告ガイドラインをわかりやすく:歯科でNGな表現5類型と限定解除
この記事のポイント
- 医院のウェブサイト・LP・SNS・広告は、医療広告ガイドラインの対象になり得る
- 避けるべきは、虚偽・誇大・他院より優れているとする表現・体験談・条件を満たさないビフォーアフター写真の5類型
- 自由診療の詳しい情報は限定解除の4条件を満たした場所に載せる。バナー広告やリスティング広告には載せられない
矯正歯科の集患では、広告だけでなく、医院のウェブサイト、LP、Instagramなどでも情報を発信します。これらはすべて、医療法にもとづく医療広告ガイドラインの対象になり得ます。
この記事では、矯正歯科で特に注意したい「やってはいけない表現」と、自由診療の情報を載せるための「限定解除」の条件を、厚生労働省の資料をもとに整理します。
本記事は一般的な情報の整理です。個別の表現が問題になるかどうかは、医院を所管する自治体(保健所など)にご確認ください。
何が「広告」にあたるのか
医療広告ガイドラインでは、次の2つを満たすものを広告として扱います。
- 誘引性:患者さまの受診を促す意図がある
- 特定性:医院の名前などから、どの医療機関のことか特定できる
2018年(平成30年)6月からは、医院のウェブサイトも規制の対象になりました。厚生労働省の事例解説書では、SNSや動画、バナー広告、リスティング広告についても事例が示されています。院長個人のアカウントでも、医院への受診を促す内容であれば対象になり得ると考えておくのが安全です。
やってはいけない表現:5つの類型
1. 虚偽の表現
事実と異なる内容です。「絶対安全」「必ず治る」のような医学的にあり得ない表現や、加工したビフォーアフター写真、調査方法を示さない満足度などが該当します。
2. 誇大な表現
事実を誇張したり、誤解を与えたりする表現です。期間を示さずに治療実績の件数だけを載せる、実際には条件があるのに「無制限」とうたう、公的な認定を受けているかのように見せる、などが例として挙げられています。
3. 他院と比べて優れているとする表現
「地域No.1」「日本一」「最高の技術」などの最上級表現や、他院との比較、他院をおとしめる表現です。有名人が通っていることを示唆する表現も含まれます。
4. 患者さまの体験談
治療内容や効果に関する体験談は掲載できません。スタッフが書いたもの、口コミサイトに依頼して編集してもらったもの、アンケート結果として紹介するものも同様に扱われます。
5. 条件を満たさないビフォーアフター写真
治療前後の写真は、通常必要とされる治療内容、費用、主なリスク・副作用の説明を、写真と同じ場所に、読める大きさで載せる必要があります。説明をリンク先にだけ置く、極端に小さい文字で書く、バナーやSNSの投稿で写真だけを載せる、といった形は違反例として示されています。
自由診療の情報を載せるための「限定解除」の4条件
医療広告では、載せてよい事項が限られています。ただし、次の4つの条件をすべて満たす場合は、それ以外の情報(自由診療の詳しい内容など)も掲載できます。これを限定解除と呼びます。
- 患者さまが自ら求めて情報を得るウェブサイトなどであること
- 問い合わせ先を記載するなど、内容について患者さまが確認できるようにすること
- 自由診療について、通常必要とされる治療内容と費用を示すこと
- 自由診療について、主なリスク・副作用を示すこと
厚生労働省の事例解説書では、通常のウェブサイトは1を満たすことが多い一方、バナー広告やリスティング広告は1を満たさないものとして扱われています。つまり、広告そのものには、限定解除が必要な情報を載せられないということです。
矯正歯科で特に注意したい場面
| 場面 | 注意点 |
|---|---|
| Instagram広告・バナー | 症例写真を使わない。費用を載せる場合は条件を正確に |
| 院長・医院のSNS投稿 | 症例写真だけの投稿はしない。患者さまの声の紹介は避ける |
| LP・医院サイトの症例ページ | 写真ごとに治療内容・期間・費用・リスク・副作用を併記する |
| 料金・キャンペーン表示 | 総額か一部か、条件、期間を明記する |
| 実績の件数 | 期間(いつからいつまでか)を明記する |
チェックの進め方
- 公開前に、5つの類型と限定解除の4条件で見直す
- 広告と、広告から飛んだ先のLPを分けて考える:広告に載せられない情報は、条件を満たしたLP側に載せる
- 迷ったら、所管の自治体に確認する
私たちが広告やLPを制作する際も、このチェックを通してから公開しています。広告の運用方法はMeta広告の始め方、LPの見直しはファーストビューのチェックリストをご覧ください。
まとめ
- 医院のウェブサイト・SNS・広告は、医療広告ガイドラインの対象になり得る
- 虚偽・誇大・比較優良・体験談・条件を満たさないビフォーアフターは避ける
- 自由診療の詳しい情報は、限定解除の4条件を満たした場所に載せる
- バナー広告やリスティング広告には、限定解除が必要な情報は載せられない
参考資料
- 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」(令和8年3月):https://www.mhlw.go.jp/content/001683116.pdf
よくある質問
矯正歯科のInstagramやSNS投稿も、医療広告ガイドラインの対象ですか?
受診を促す意図があり、どの医療機関か特定できる内容であれば対象になり得ます。院長個人のアカウントでも、医院への受診を促す内容であれば対象になり得ると考えておくのが安全です。
ビフォーアフター写真は掲載できますか?
通常必要とされる治療内容、費用、主なリスク・副作用の説明を、写真と同じ場所に読める大きさで載せる必要があります。説明をリンク先にだけ置く形や、バナー・SNS投稿で写真だけを載せる形は違反例として示されています。
限定解除とは何ですか?
患者さまが自ら求めて情報を得るウェブサイトであること、問い合わせ先の記載、自由診療の治療内容と費用、主なリスク・副作用の4条件をすべて満たすと、通常は載せられない自由診療の詳しい情報も掲載できる仕組みです。