医療広告ガイドライン
限定解除とは:自由診療の料金・症例を載せる4つの条件と、書き方の注意点
この記事のポイント
- 限定解除とは、4つの条件を満たした場合に、本来は広告できない自由診療の詳しい情報なども載せられる仕組み
- 条件は、患者さんが自ら求めて見るサイトであること、問い合わせ先、自由診療の内容と費用、主なリスク・副作用の4つ
- バナー広告やリスティング広告そのものは条件を満たさない。予約専用の電話番号だけ、極端に小さい文字なども認められない
矯正やインプラントなど、自由診療が中心の歯科医院にとって、料金や治療の詳しい説明、症例写真は、患者さんが判断するために欠かせない情報です。一方で、医療広告ガイドラインでは、広告として載せられる事項が限られています。
この両立のためにあるのが「限定解除」です。この記事では、限定解除の4つの条件と、厚生労働省のQ&Aで示されている書き方の注意点を整理します。
本記事は公開資料の整理です。個別の判断は、医院を所管する自治体(保健所など)にご確認ください。
限定解除とは
医療広告では、医院名、診療科名、診療日・時間など、広告できる事項(広告可能事項)が限られています。ただし、次の4つの条件を満たす場合は、それ以外の事項も載せられます。これを限定解除と呼びます。
- 患者さんが自ら求めて情報を得るウェブサイトなどであること
- 問い合わせ先を記載するなど、内容について患者さんが容易に照会できるようにすること
- 自由診療について、通常必要とされる治療の内容と費用を示すこと
- 自由診療について、主なリスク・副作用を示すこと
3と4は自由診療の情報を載せる場合の条件です。矯正やインプラント、ホワイトニングなど、自由診療の料金や症例を載せる医院のサイトでは、4つすべてが必要になると考えてください。
条件1:「自ら求めて見る」サイトかどうか
医院のホームページは、患者さんが検索などで自ら探して訪れるものなので、通常は1を満たします。一方、バナー広告やリスティング広告は、患者さんが求めていなくても表示されるため、1を満たさないとされています(事例解説書)。
そのため、広告と、広告から飛んだ先のページは分けて考えます。
- 広告そのもの(Instagram広告、バナー、検索広告の文面):広告できる事項の範囲だけを載せる
- リンク先の医院サイト・LP:限定解除の条件を満たせば、自由診療の詳しい情報や症例を載せられる(Q&AのQ1-7)
条件2:問い合わせ先の書き方
Q&A(Q6-10)では、次のような問い合わせ先は条件を満たさないとされています。
- 「予約専用」とだけ書かれ、問い合わせができる旨のない電話番号
- 電話がつながっても自動音声だけで、折り返しがない
- メールを送っても受付の返信だけで、質問への回答がない
「ご質問・ご相談はこちら」と分かる形で、実際に答えてもらえる窓口を書きます。
条件3・4:内容・費用とリスク・副作用
自由診療については、治療の内容・費用と、主なリスク・副作用の両方が必要です。Q&A(Q6-12)では、リスク・副作用を「時間の経過によって体内へと吸収され、元に戻る」とだけ書いた例は、条件を満たしていないとされています。
矯正歯科のサイトなら、たとえば次のような項目をそろえます。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 治療の内容 | 装置の種類、治療の流れ |
| 期間・回数 | 治療期間の目安、通院の頻度 |
| 費用 | 総額の目安、自由診療(保険適用外)である旨、調整料などの追加費用の有無 |
| リスク・副作用 | 痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなど、その治療で主に考えられるもの |
※具体的なリスク・副作用の内容は、院長が治療内容に合わせて確認・記載してください。
見やすさ:小さい文字・リンク先だけはNG
Q&A(Q6-11)では、限定解除の記載は患者さんが容易に見て分かることが必要とされ、次のような書き方は認められないとされています。
- 文字が極端に小さく、確認しにくい
- 背景と同じ、または同じ系統の文字色で書かれている
- 情報量をわざと増やして、必要な事項を見落とさせる
症例写真(ビフォーアフター)を載せる場合は、治療内容・費用・リスクなどの説明を写真と同じ場所に付ける必要があります。説明をリンク先やクリックした後にだけ置く形は認められません(ビフォーアフター・体験談・口コミの線引き)。
限定解除のチェックリスト
- 広告(バナー・検索広告・SNS広告)そのものに、自由診療の詳しい情報や症例を載せていない
- リンク先のページに、問い合わせができる窓口(電話・フォームなど)を書いている
- 自由診療の治療内容・期間・費用(保険適用外である旨を含む)を書いている
- 主なリスク・副作用を具体的に書いている
- 上記を、読める大きさ・見やすい色で、症例写真と同じ場所に書いている
私たちが広告とLPを制作するときも、広告に載せる情報とLPに載せる情報をこの考え方で分けています。全体像は医療広告ガイドラインのまとめ、よくある質問はQ&Aの要点をご覧ください。
参考資料
- 厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」(令和8年3月改定):https://www.mhlw.go.jp/content/001683595.pdf
- 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」:https://www.mhlw.go.jp/content/001683116.pdf
よくある質問
限定解除とは何ですか?
医療広告で載せられる事項は限られていますが、患者さんが自ら求めて情報を得るウェブサイトなどで、問い合わせ先の記載、自由診療の通常必要な治療内容と費用、主なリスク・副作用の記載という条件をすべて満たすと、それ以外の情報も載せられる仕組みです。
Instagram広告やリスティング広告で限定解除はできますか?
厚生労働省の事例解説書では、バナー広告やリスティング広告は「患者が自ら求めて入手する情報」にあたらないとされています。広告そのものには広告できる事項だけを載せ、詳しい情報は条件を満たしたリンク先のサイトに載せます。
問い合わせ先は予約用の電話番号でよいですか?
Q&A(Q6-10)では、予約専用で問い合わせできる旨のない電話番号は条件を満たさないとされています。自動音声だけで折り返しがない電話、受付の返信だけで回答がないメールも同様です。